イチロヲ

らしゃめんお万 雨のオランダ坂のイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
日本と西洋の混血美女(サリー・メイ)が、恩人となるヤクザ者(武藤周作)を捜すべく、単身長崎にやって来る。スケコマシ野郎に翻弄される女の葛藤を描いている、日活ロマンポルノ。

金髪歌手(ただし地毛は黒)のサリー・メイを起用している作品。いわゆる「男に騙された女のリベンジもの」だが、主人公が男に絆された状態のままで進行するため、リベンジを達成できるかどうかのワクワク感は希薄になっている。

とはいえ、信頼していた人に裏切られたときのガッカリ感は共感できるし、スケコマシ野郎が地獄に落とされるときのザマーミロ感もまた格別。主人公を身請けする隻眼の男役で、大和屋竺が出演しているところも必見。

主人公のフラストレーションの爆発力がイマイチ物足りないが、総合的には手堅く製作されたエクスプロイテーションという印象。超大作「戦争と人間」のオープンセットを再利用しているため、重厚感のある映像を楽しむこともできる。
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