NYの伝説フォトグラファー、ビル・カニンガムを追ったドキュメンタリー。「プラダを着た悪魔」のミランダのモデルにもなったVOUGEの編集長アナ・ウィンターは「私たちはビルに写真を撮られるために服を着ている」と言ったほど。ビルはアナが20歳の時から写真を撮り続けているカメラマンだ。
「最高のファッションショーは常にストリートにある。これまでもそうだったし、これからもそうだ」
という彼の言葉のある通り、ファッション・コラム「ON THE STREET」でNYのファッションの最先端を追う。
50年以上に渡り同紙社交コラム「EVENING HOURS」も担当しているビルは、セレブも友人だが彼はお金やモノに執着しない。身につけているコートをテープで修繕しているし、彼のアイコンである青の作業着は20ドル。
だが、芸術文化勲章オフィシエ授賞式でビルがスピーチした「美を追い求める者は必ずや美を見出す」は、紛れもなく彼自身のことである。彼自身はファッションにお金をかけていないけれど、彼のファッションを見る目は本物だ。
恋愛もせず、全ての情熱をファッションに注いだビル・カニンガム。彼のファッションに対する姿勢には賛仰せざるを得ない