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静かなる叫びのakihiko810のレビュー・感想・評価

静かなる叫び(2009年製作の映画)
3.6
gyaoで視聴。カナダ映画。
「メッセージ」「灼熱の魂」のドゥニ・ヴィルヌーブ監督。

男は右、女は左へ。1989年12月6日、モントリオール工科大学に通うヴァレリーと友人のジャンは普段通りの学生生活を送っていたが、突然、ある1人の男子学生がライフル銃を携えて構内に乱入...女子学生だけを狙って発砲し始める…

実際の銃乱射事件をモチーフにした作品で、その点はガス・ヴァン・サントの傑作「エレファント」と同じ。本作の銃乱射シーンはリアルで、モノクロで視覚的情報が遮断されていることもあり恐ろしい。
ただし、演出の意図的に、犯人の心情が言葉で説明されてしまっているのでわかりやすく、「エレファント」のようなわからなさからくる不穏さはない。その点で「エレファント」のような傑作ではない。
銃乱射後に生き残った人はどうなったか、というのも少し描かれていて、たぶん監督的にはそちらの方をメインにしたかったのだろうが、添え物程度にしか感じられなかった

さて、先日小田急列車内であった通り魔的殺傷事件が女性ばかりを狙ったもので、「フェミサイド」(フェミニズム×虐殺ジェノサイド)だと騒がれたのだが、社会の断絶がそこまで進んでるのかと思うと、暗澹たる思いになる。銃のない日本でも他人ごとではなくなってきたのかもしれない。
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