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静かなる叫びのmoryのレビュー・感想・評価

静かなる叫び(2009年製作の映画)
4.0
ブレードランナー2049の時に強く感じたことなのですが、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は言葉や感情の発露を控えめにする事でむしろ悲哀を際立たせる表現に長けているのだと、改めて感じました。カラーで世に出せる作品をあえてノアール映画にしたことで、鬱積・悔恨といった抑圧された感情が大きなエネルギーを伴って静かに、しかしながら激しく渦巻くようです。
 
大切なものが、ほんの一瞬のうちに理不尽に奪われ、破壊しつくされてしまうことがある。そのことを本当に悔しく思う。どうしたらそのような奇禍の頻度を減らすことができるのかについて、この作品はきちんとアンサーを提示している。そこに至る思索の過程を考えると、切なくなると共に、誠実さに敬意の念を抱かざるを得ない。
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