チーズマン

静かなる叫びのチーズマンのレビュー・感想・評価

静かなる叫び(2009年製作の映画)
3.7
1986年12月にカナダのモントリオールの理工科大学で起こった、大勢の死傷者を出した銃乱射事件のその日その場所を描いた作品。

ドゥニ・ヴィルヌーブ監督作品の中でも最も情報量を抑え、我々観客を目撃者にすることに重きを置いたこの映画は、ひたすら画面に映る人物達に想像を働かせるしかない。
皆それぞれどんな人だろう、と。

犯人の青年の犯行動機は過激な反フェミニズムだということは紛れも無い事実だけど、この映画を観ていると彼を狂気に走らせた原因は本当にそれだけだったのだろうかと思ってしまう。
反フェミニズムという形でしかこの世界と繋がりを持てなかった彼の、モノクロの画面から滲み出るあの凄まじい孤独感、まるで『タクシードライバー』の彼を観てるようだったなあ。
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