デイジーベル

静かなる叫びのデイジーベルのレビュー・感想・評価

静かなる叫び(2009年製作の映画)
4.5
小説に於ける『行間』、漫画に於ける『コマとコマの間』。
そこを読む事で生まれる物語

●作品概要●
1989年12月6日にモントリオール理工科大学内で起こった銃乱射事件を元に、架空の人物によって描かれた作品。

●感想●
ガス・ヴァン・サントの「エレファント」も傑作でしたが、こちらは更に素晴らしかった!
なにより、過剰なまでの〝引き算゛による演出がこの作品を傑作たらしめている。
モノクロの映像。必要最低限の台詞。ナレーション無し。必要以上に情報を少なくする事で生まれてくる情報。
そしてどこまでも残酷で美しい映像に胸を締め付けられる。
この作品は、孤独や弱さが生み出す悲劇、そして悲劇から生まれる絶望と希望の物語。
簡単には飲み込めない、咀嚼できない作品ではあるが、間違いなく傑作であり、心に刻まれるであろう作品。

フェミニストを嫌悪した蛮行とみられるが、決してそんな高尚なものなんかじゃなく、孤独が膨れ上がって爆発した狂気。
避けられたかもしれない悪夢。
彼が求めていたものはきっと彼の最期が表している。


ヴィルヌーヴ作品の中でも間違いなくトップクラスの傑作であり、個人的に猛プッシュな作品です。
少しでも興味が湧いたら観てほしい作品です。
(説明過多な作品には飽き飽きしてたところだぜっ!ってな方には特におすすめです)


●雑記●
沢山の作品を観てはいるのですが、時間の都合や体調などにより、いかんせんレビューを書くまでに至っておりません…他にも沢山レビューを書きたい作品もあるんですけどねぇ…。
今作のように過去作品も含めて、ここ半年観た作品は当たりが多かったのに…無念。
(´ω`)◞またレビューします〜