ナーオー

エンド・オブ・ウォッチのナーオーのレビュー・感想・評価

エンド・オブ・ウォッチ(2012年製作の映画)
5.0
"制服警官"映画の大傑作。

主人公は重大事件を担当する刑事ではなく、目の前の犯罪に対応する制服警官。
だからこそ"最前線"の危険さが生々しいほど伝わりました。

全編に渡ってヒリヒリとした緊迫感が続き、一瞬の判断ミスが命取りになる過酷な犯罪現場をPOV風のドキュメンタリータッチで撮影されたからこそ、自分がその犯罪現場に放り出されたかように文字通り手に汗握る展開の連続でした。本作の監督を務めたデヴィッド・エアー自身がサウスセントラル地区で10代を過ごした過去があるのでストリート描写やギャング描写が彼が脚本を担当した『トレーニングデイ』並みにリアルなのも見応えがありました。

実際に警察訓練を受けて撮影に挑んだジェイク・ギレンホールやマイケル・ペーニャの演技や本物の警官にしか見えない身のこなし方なども良かったですが、脇を固める同僚役のフランク・グリロやデヴィッド・ハーパー、ギャング役のクリー・スローンやモーリス・コンプト、リチャード・カブラルら全員が本物の警官・ギャングスターと思えるほどの名演も素晴らしい。

タフでマッチョなクライム映画を得意とするデヴィッド・エアー監督作でぶっちぎりの最高傑作だと思います。『フレンチ・コネクション』のウィリアム・フリードキンが絶賛しているもの納得の一本でした。
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