さすらい農場

もうひとりの息子のさすらい農場のレビュー・感想・評価

もうひとりの息子(2012年製作の映画)
3.7
〜動揺〜
もし自分が両親の本当の子じゃなかったら?
もし弟が血を分けた実の兄弟じゃなかったら?
もし孫が本当の孫じゃなかったら?
もし甥っ子が血縁者じゃなかったら?
もしハトコが赤の他人だったら?

湾岸戦争の混乱で取り違えられた子ども
しかもイスラエル🇮🇱のユダヤ人とパレスチナ自治区🇵🇸のアラブ人という因縁深い歴史を持つ相手同士
故郷を分断された民族
人生を引き裂かれた家族

[お兄ちゃん返すの…?]
妹のセリフに不謹慎ながら笑った :( t t ):
ペットじゃ有るまいし…

争いの歴史に裏打ちされた強固なアイデンティティは[頑ななエゴ]でしか無い。
息子たちの揺らぐ心が痛々しい。

願わくば、引き裂かれたのでなく、二人の父母、家族が増えたのだと思って欲しい…
足し算で考える事ができたら、こんな幸せな事はない。と、切に思う。

思い浮かぶのはブラックパンサー(チャドウイック・ボーズマン)のセリフ

〜賢者は橋を渡らせるが、愚か者は壁を巡らせる〜

やましんさん[みんかい?]選定ありがとうございます!
意義のある名作でした🙏✨