白菜

もうひとりの息子の白菜のレビュー・感想・評価

もうひとりの息子(2012年製作の映画)
4.5
もう何年も前に見た映画だけど、また見たくなって去年DVDを購入。

ユダヤ人家族とパレスチナ人家族の新生児取り違え問題。政治的、宗教的問題がからみ、双方の家族それぞれの思いもさらに複雑に。

繋ぎ合わせるのは、母親の産んだ子への思い。そして育てた子への思い。そこらへん受け入れ易いのは、やはり子を産む性だからなんだろうか?
対して、父親たちは最初どちらも葛藤が強いように感じる。それとも戦闘に立った経験からなのか?

取り違えられた当人たちは、幼い頃から感じていた違和感に答えを見出したような、今までの居場所を失ったような複雑な気持ち。
そりゃそうだよねー。
それでも徐々に2人の間に連帯感が生まれだす。2人でアイスを売るシーンは何故かすごく好き。

色々あるけど最終的に、家族それぞれが、現在を受け入れて人を思いやっている。パレスチナ問題自体にも、ひょっとしたらとの希望を見出せる、すごく心が洗われる映画だった。

(迷い、不安定になった息子が救いを求めに行ったのに、ユダヤ人じゃなければユダヤ教徒じゃないとバッサリ言い切った司祭?にはある意味衝撃を受けたが。そういう信仰だから仕方がないよね。)
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