秋日和

身をかわしての秋日和のレビュー・感想・評価

身をかわして(2003年製作の映画)
4.0
女の子に告白をしたらすぐにでも返事が欲しいのは分かるけど、「返事は家に帰って電話でするわ」と答える彼女に「いま返事くれよ。電話代が……」だなんて口を滑らすのは絶対に駄目。幼馴染みのあの子と二人っきりでお芝居の練習が出来たこと自体に感謝しろと言いたいのに、そのチャンスを自ら潰すとは何事か。感情を言葉に当てはめるのが下手なだけでなく、既に作られた言葉に感情を当てはめることも下手だから、スクリーンの中の彼に凄くやきもきしてしまう。
5秒前と今とで言うことがコロコロ変わっちゃうのは、彼/彼女たちの感情だってコロコロ変わっちゃうからで、怒鳴っている最中もなんで自分が怒鳴っているのか忘れているんだと思う。確かに人を殴るのは絶対やっちゃいけないことだけど、大して痣も傷も見当たらない人から「危うく殺されそうになった!」と鼻息荒く言われても困ってしまうな。
ただこのときこの瞬間の感情をアップの連続で切り取っていくケシシュの力業に唖然。隠しておきたい思春期のお節介を見せつけられたときは、顔から火が吹き出るかと思いました。リアルに。ロミジュリな位置関係がくるっと変わっちゃうあの感じはとても好き。