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風とライオンのtoriten45のレビュー・感想・評価

風とライオン(1975年製作の映画)
3.1
『アラビアのロレンス』('62)のように広大な砂漠を背景にした絵になる風景と、エキゾチックな雰囲気を掻き立てるジェリー・ゴールドスミスの音楽も相まって重厚でスペクタクルな作品に仕上がっていると思いました。ちょっと間延びして集中が途切れることしばしばでしたが、実在の歴史にアドベンチャー要素をミックスしたような仕上がりは良かったと思います。

物語は1904年のモロッコが舞台で(日露戦争の頃?)、ベルベル人(先住民族)の族長とアメリカ大統領セオドア・ルーズベルトの海を超えた駆け引きを描く歴史ドラマ。当時のモロッコは主権を狙った隣国の干渉が絶えない複雑な情勢だったようです。

尊大だけとどこか魅力的なベルベル人の族長ライズリを演じたショーン・コネリーと、裕福な家に住むペデカリス夫人を演じたキャンディス・バーゲンの競演。キャンディス・バーゲンを初めてこの作品で知りましたがとても美しくて表情に魅力がある方なのですね。粗暴なライズリに対して徐々にに親しみを感じていく気丈なアメリカ人女性を、ユーモアも交えて演じていました(どことなくインディジョーンズ2に出演したケイト・キャプショーに雰囲気が似てる)。

それにしても、ショーン・コネリーの存在感は群を抜いていますね。スペクタクル映画の壮大さをさらに高めている気がします。『アンタッチャブル』('87)でアカデミー賞助演男優賞を受賞していますが、主演男優賞を受賞していないのが不思議。彼からは円熟した男の魅力が詰まったフェロモンがムンムンに吹き出していました。
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