ねこたす

ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金のねこたすのレビュー・感想・評価

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こんな楽しい映画がビデオスルーになってたなんて、やはりこの国の映画環境はオワってますなあ。

だって、あのマイケル・ベイがマーク・ウォールバーグと"ロック様"ことドウェイン・ジョンソンを主軸に、マッチョ版冷たい熱帯魚をやったんですよ???
こんなのめちゃくちゃ面白いに決まってるじゃないですか!!

アメリカン・ドリームとマッチョイズムを見事に融合させている。マーク・ウォールバーグもドウェイン・ジョンソンも成り上がりだ。
「ラッパーとプロスポーツ選手かと思った」という台詞があって、そりゃウィル・スミスとロッキーだもんなあと思っていたら、アンソニー・マッキーとウィル・スミスの区別が付いていなかった。
キャプテンアメリカのファルコンの人だよね、髪形も似てるから区別がつかなかったよ…。

ハングオーバーでお馴染みの成り上がり東洋人ケン・チョンに影響される。ウルフ・オブ・ウォールストリートでこんなの見たなあと感じつつも、こういうアメリカ人いそうだなあと納得。

トランスフォーマーでも、ギャグセンスや会話の演出の上手さを発揮していたが、この作品でも存分に表れている。
それぞれ知能の差はあれど、基本的には筋肉バカ。そんな初歩的なミスするかよ!という部分もなんだか愛らしい。

この映画を支配している男根(もろにアダルトグッズ)、マッチョイズム。インポで悩むアンソニー・マッキーの不安そうな顔。
ホモの神父なんてふざけるな!という具合だったり、キリスト教原理主義だったり。
自分を追い込む、その筋トレの過剰性と呼応するように、物語もエスカレートしていく。

セックス、ドラック、良い女!! ふぅ~~!!!

計画性なんてものは一切なくて、常に行き当たりばったり。冷静になるために筋トレだ!!と言うしまつ。

マイケル・ベイもう一つの特徴。悪趣味な演出。
こちらのエッセンスも最高に毒っ気が効いている。
ユダヤ教徒に、キリスト教に改宗すれば救われるなんて言ったり、取れた足の指の使い方。
そして、頭おかしいんじゃないかというBBQ。

そんなアメリカを覆う空気(全部じゃないけれど一部)に対する批評性と共に、一種の儚さも感じる。金網と星条旗の対比がなんとも悲しい。

それでも、ロック様の貴重な歌唱シーンを拝めた僕はなんとも幸せな気分で鑑賞できたのであった。めでたしめでたし。