サノス

ウォーム・ボディーズのサノスのレビュー・感想・評価

ウォーム・ボディーズ(2013年製作の映画)
5.0
「ゾンビの恋愛映画だぁ? ま〜た奇を衒った映画か、ゾンビは好きだけど恋愛映画じゃ観る気もしねーわ」

……と、いうのが偽らざる私の第一印象です。dTVで配信されていたので、半分冷やかしのつもりで観てみると……

一昔前のラノベのように語られる主人公(ゾンビ)の心中と、『デッドプール』を思わせるポップな小ネタ。『ウォーム・ボディーズ』という映画そのものを俯瞰したかのような世界観に、すぐさま引込まれました。その間、開始1分もありませんでした。テンポの良い一人称の語り口は『オッド・トーマス』を彷彿とさせるものがあります。どちらも小説が原作なので、もしかすると日本でいうラノベのようなものなのかもしれません。

ネタバレになるので詳細は省きますが、中には鑑賞後「こんなのゾンビじゃねえ!」と憤慨する方もいるかもしれません。確かに、本作のゾンビをゾンビとして扱うのは違う気がします。それでは、こういう心持ちで観ては如何でしょうか?

『ウォーム・ボディーズ』は、「ゾンビ映画」ではなく「ゾンビが出てくる映画」である。

そもそも本作のカテゴリーはホラーに非らず、恋愛・コメディ・ゾンビ映画とされています。ゾンビにホラーを求めない、そういう楽しみ方があってもよいのではないでしょうか。何にせよ、本作はゾンビの新しい解釈といえるでしょう。私と同じように、ゾンビは好きだけど恋愛映画だからといって敬遠されていた方……最初の5分、いや1分だけでもいいので観てみてください。きっと心を掴まれるはずです。
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