マシュウ

スノーピアサーのマシュウのレビュー・感想・評価

スノーピアサー(2013年製作の映画)
3.8
神が大洪水を起こして人間を葬ろうとした「ノアの方舟」が引用されている。ミンスの娘ヨナは旧約聖書のヨナから由来しているのかな?と思った。聖書のヨナは男性だけれど。

列車の車両毎にヒトの階級が分けられていて、最後尾に向かうにつれて階級が下がっていくという設定がすきです。「人口が増えすぎたから調整するために意図的に減らそう」っていう陰謀はたしかダン・ブラウン「インフェルノ」でもモチーフになっていたと思う。列車の中に植物園や水族館があるのはSFならではだし実際にあったら面白そうだな〜って見ながら思いました。

最後ヨナと男の子は外の世界に脱出した後白熊を発見して映画は終わるんだけれどその余白が気持ちいいというか、解釈を観客に委ねている見せ方だなと思った。たしかに終盤までは列車の中で全て管理された閉鎖的生態系のみが描かれていたから、白熊が登場するというのは生物としての多様性を感じさせるとも取れるし、新たに生存競争が始まるとも取れる。
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