みおこし

スノーピアサーのみおこしのレビュー・感想・評価

スノーピアサー(2013年製作の映画)
2.9
ここ最近観た作品の中でダントツ「?????」な作品でした(笑)。スローモーションの多用、感情を煽る効果的なBGMを観るとやっぱりポン・ジュノ監督の作品だな〜と思いつつ、それにしても普段の彼の作品の中では圧倒的に異色な気がしました。ハリウッド・デビュー作(しかも超がつく豪華キャスト)というのもあって、また普段と違う心意気で臨んだ作品なのかな...。強いて言うならば『グエムル』のような超大作の雰囲気は似ているかも。

2031年、地球温暖化を食い止めるために開発された化学薬品がかえって世界を凍らせてしまい、ほとんどの生命体が死滅。数少ない人間の生き残りたちは、スノーピアサーという移動型シェルターの中で何とか食いつないでいたが、その車両の中では富裕層が全てを支配し、貧困層は人権をほぼ剥奪された状態で隔離されている、という恐ろしい近未来の設定。
車両の中には様々な人物が入り乱れていますが、リーダー格として反乱軍を指揮するカーティスにクリス・エヴァンスが扮しています。今やキャプテン・アメリカのイメージが強いから、逆にこういう映画の彼はどこか新鮮に見えますね...!さらにジェイミー・ベル、オクタヴィア・スペンサー、ジョン・ハート、そして言わずもがなソン・ガンホという国際色豊かなキャスティング。
でも映画を観終わって圧倒的に残っている記憶は、やはりティルダ・スウィントン。富裕層の代表である残忍なリーダー、メイソンを文字通りの怪演。ここ最近彼女がノーメイクで出演している映画、観たことない気がします(笑)。でもその中でも特段メイソン役はものすごい存在感で、こんなに憎たらしい悪役いないのでは?というくらいでした。

舞台が雪の世界ということで、拷問シーンもやけにリアルな方法で胸くそが悪かったです...。異常な世界に陥ると、人はこんなにも残酷になれるものなんだなあ。
架空の設定ながらも、恐ろしい階級社会を描いた秀逸なテーマには、エンドロールの後も考えさせられるものがありました。
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