あゆぞう

熱波のあゆぞうのレビュー・感想・評価

熱波(2012年製作の映画)
4.0
名作

邦題が絶妙

現在のポルトガルと'60年代のアフリカが舞台

男女のひりひりするような「熱」感情の「波」と、輝かしい旧ポルトガルの「熱」変革の「波」とを描いた作品

あえてモノクロの4:3スタンダードサイズで撮影されていて、写真でいうところの正方形フォーマットに通じる様式美ともいえる矩形に計算された構図とコントラストが凝縮されている

狙いは異なるが、意図されたアスペクト比という点で僕の中ではこの作品の2年後に公開されたドランの「Mommy」と符号が一致

意図された音という点では、ドランがカットの途中で映像をハイスピードにして音を置き去りにするのに対し、二部からなるこの作品の回想パートでは映像と音とをいったん分離し、再構成することで敬愛する映画への想いと過ぎ去った儚く美しい時代を描き出している

適所で流れるピアノが美しい

ワニ、亡霊、ホームステイ、回転式レストラン、ロウソク、デモ、見ざる言わざる聞かざる、毛皮、ロビンソンクルーソー、老人ホーム、背の高い草と青空との間に配置された真っ白な雲、占い師、バンド、ジャケット撮影、雨の中の卓球、プール、ロシアンルーレット、手紙
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