カテリーナ

熱波のカテリーナのレビュー・感想・評価

熱波(2012年製作の映画)
3.8
物憂げな男がひとり危険を顧みずアフリカの大地を突き進む ポルトガル国王令の有難き言葉に励まされて前進するも隊長の動機は尊い使命だけではない探検に駆り立てられる本当の理由は不遜にも彼の心の中にあった
妻の死を看取った場所から遠く離れる為
その喪失感から逃れる為だった
だが死んだはずの妻が夫の前に現れこう告げる
「どれだけ早く遠くへ逃げても心は捕らわれたままよ」
冒頭で死んだ妻が訴える台詞が
この映画の全てだったとエピローグを迎えわかった。
妻の言葉に絆されてワニの潜む川に身を投げた男はその後亡霊となりふたりの不思議な絆は死をも超えるとプロローグを飾る
物憂げなピアノの旋律が胸に染みる。
初めて観るポルトガルの映画は衝撃的で信心深く、まさに熱にうなされるような
炎の情念を燃やす世界だった。
後半はモノローグの展開になるが台詞無しでもこれだけふたりの感情の昂りや悲劇的な末路を見事に体現した演出には感心。
自分の親友の恩人の妻と不倫に陥る情熱的な男はエキゾチックなイケメンで
ジョニー・ディップとマシュー・マコノヒーをたして2で割ったような顔
ひとめ見てハートを射抜かれ
骨抜きにされ、
長い間忘れ去られていた感情を引き戻された。
泡沫の情熱を取り戻したい方は一見の価値あり
カテリーナ

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