ヨシイコウタ

言の葉の庭のヨシイコウタのレビュー・感想・評価

言の葉の庭(2013年製作の映画)
2.0
最新作を観る前に今までの作品を観ておくともっと楽しめると友だちに言われたので、借りてみました。

ただ残念なことに、まず小説の地の文をそのまま読み上げているようなナレーションやセリフがどうしても受けつけない……聞いているとどうもむずがゆくなるというか、恥ずかしくなってくるので、美しい水の描写をきっかけに物語に入り込もうとするも挿入されるセリフに毎度白けてしまう。なんというか、ああいう表現は読むためのものであって、声に出すべきではないような気がする。試みとしてやってみたのならまあ意図は分からなくはないけれど、「ほしのこえ」もなんかそんな感じだったし、うーん、隔たりを感じてしまった。

ストーリー展開も個人的にはイマイチ。いたるところに「どっかでそういうセリフや所作を見て、自分も使ってみたくてたまらなくて、とにかく無理やりぶち込んだ」みたいなシーンがあって、特に最後のほうの階段のところとか女性が椅子から勢いよく立ち上がって走り出すところから「あれ、そんな話だったの?」という感じで、僕は物語に入り込むどころか、がっつりリアルの中からそれを眺める羽目になってしまった。監督の抱える男の夢だかなんだか分からないけれど、ほんとうにそうなのだとしたら僕との間には埋まらない溝があるようなので、なんだか不安になりました。