うーた

言の葉の庭のうーたのレビュー・感想・評価

言の葉の庭(2013年製作の映画)
4.9
開始10秒ほど、池の水面で
新緑のもみじの枝が揺れるカットが激烈に美しい。環境音もヤバでボロボロ泣いてしまった
まだ物語が始まってないのに、ヤバい美しさにブン殴られる感じ
視聴から5年経った今でもあの瞬間が忘れられない。僕の原点。

AEによる雨の空気感
光を受けた明るい黄緑色と影中の鮮やかな深緑
水に濡れた地面への映り込みの美しさ

どれもアナログでは出来ない表現で、尖ってはいるけどデジタル美術の最高到達点の一つだと今でも思う。

内容自体は新海誠特有のクサさがあって、イラッとしないではないけどそこがいい。
公開オナニーを見せられているような気分になってこっちまで恥ずかしくなる。
でも堂々としたオナニーじゃなくて、大衆に受け入れられるライン&自分のオナニーの境界線を恐る恐る探るような弱い痛々しさも感じる。

万葉集とかいう原始人ポエムや、2人のモノローグの応酬とか。かつてないポエマー感があった(好き)

BGMが最強にエモい。感情を映して、どんよりしてたり、リズミカルだったり。雨の音に見立てた?ピアノが心地よい

新海が長年言ってた「ジブリみたいな沢山の人に受け入れる作品を作ってみたい」てのは、「君の名は。」で実現したし、
またこういう、恥ずかしい新海ワールドを作って欲しい。
うーた

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