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言の葉の庭のtetsu0615のネタバレレビュー・内容・結末

言の葉の庭(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

美しい映画だった


15歳のタカオは将来靴職人?を目指している。雨の日は午前中だけ学校をサボり、公園?の屋根のあるベンチで過ごすことにしている。
その日、見知らぬしかしどこか見覚えもあるような年上の女性がビールを飲みながら座っており次第に交流を深めていく…

オープニングからコンクリートの床、街中の雑踏、降り注ぐ雨のしずく、しなる木々など実写のようにリアルで、それでもアニメーションならではの繊細な美しさが表現された風景が物語にリアリティと豊かさを与えてくれる。

前半はタカオの視点とモノローグで語られ、見知らぬ女性との交流とほのかな恋心を抱くまでが描かれる。

見知らぬ年上の女性に惹かれていくというプラトニックでセンシティブな(それでいてどこか憧れる)シチュエーションであり、雨の日の午前中のみ会えて話すというのも、ふとした瞬間に終わってしまいそうな儚げで繊細さのあるシチュエーションだ。

梅雨があがる辺りでは視点は彼女側に切り替わり、彼女の素性が少しずつわかっていく。なぜ彼女は仕事をせずに現れるのか、ビールとチョコの理由…
そして、図らずも15歳の彼へ少なくとも好感は持っているのは分かる。
そして二人がお互いを知ったとき、物語はクライマックスを迎える(まあ女性側は知っていたが)


教師と生徒ということが判明したあと、二人はまたいつもの場所で出会う。出会ったときに言われた短歌の答え合わせと共に
その時激しく降りだした雨はクライマックスの二人の感情が炸裂し、階段での美しいシーンまで続くのでステキな演出だと思った。

美しい映像美と短くも繊細な物語を味わえる映画
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