ゼロ

言の葉の庭のゼロのレビュー・感想・評価

言の葉の庭(2013年製作の映画)
3.6
”愛”よりも”孤悲”のものがたり。

新海誠監督の5作目の劇場作品となります。劇場版ですが、上映時間が46分と短いため、伝えたい想いはシンプルに伝わってきます。

物語としては、靴職人を目指す高校生のタカオは、雨の日の授業をサボって、庭園で靴のデザインを考えていた。ある日、タカオはそこで昼間からビールを飲んでいる女性、ユキノに出会う。どこかで会ったかとタカオが尋ねると、ユキノは否定し、万葉集の短歌 「雷神(なるかみ)の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」 を言い残して去っていった。

登場人物は15歳のタカオと27歳のユキノの二人がメインです。二人が雨の日の新宿御苑にて触れ合い、時間を重ねていくことで、タカオは恋をしていきます。ユキノは自分のことを知らないタカオと触れ合うことで、自分を取り戻していきます。

15歳から見ると27歳の女性は大人であり、色気のある女性に見えます。何でも知っているようなお姉さんに見えて、何にも知らない子供です。物語が進むにつれて、タカオとユキノの関係が分かり、タカオがユキノに感情をぶつけるところは青春と言えるでしょう。

新海誠監督の作品だけあって、人物よりも景色や風景、雨の天気が綺麗です。写真よりも美しく、繊細に描いていて、現実の新宿御苑よりも作品内では綺麗に描写されています。

主題歌の「Rain」が映画にぴったりの曲で、雨の日に耳にしたい一曲となっています。

もう一つの雨の物語を楽しんでください。
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