言の葉の庭 (ことのはのにわ)
(2013) 🇯🇵 日本映画 46分
原作・脚本・監督 新海誠
ユキノ(27)
雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて
さし曇り 雨も降らぬか きみを留めむ
「雷が鳴り響き、雨でも降ってくれないであろうか そうすれば、あなたをこの場に引き止めることができるのに」
タカオ(15)
雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて
降らずとも 吾は留まらむ 妹し留めば
「たとえ、雷が鳴り響いたり、雨が降らずとも、あなたが引き留めるなら 私はここにいる」
日本語、言の葉(ことのは)って美しく、切ないよ、そして、返歌は情熱的
言の葉と、葉の字が入っているので、日本の自然も舞台となる。
若歌、そして、自然を越えたと云われる
描写の繊細さで、庭園と学園のミニマルな世界を、美しく描き切っているので、
アニメーションのひとつの極致であろう。
多彩なる緑の深さ、雨の降りしきるさま、水面に広がる雨の波紋、音、風がそよぐ、段々と暗くなる空など、庭園に於ける自然は、実に美しく、目に鮮やかである。
映画の主人公は
筋肉質な高校生のタカオ
古典の教師の色白なユキノ先生のほか
新宿御苑とベンチ
言の葉(若歌と静かな会話)
雨
緑
風
金麦とチョコレート
新宿ビル街
光 など実に多様で日本的である。
ベストショットは、俯瞰のカメラから
赤のユキノの傘と、白のタカオの傘が、
東屋(あずまや)に向かう、描写であろう。
ふたりはもう、出逢っていたのだ。
和歌、自然の緻密な描写、天候への危機感など、新海誠監督の作家性は、完成している。
そして、ヒッチコックやトリュフォー、スタンバーグ、ブニュエルなどの巨匠たちと、オイラ🐱を越えた、脚フェチなのかも、太腿、脚首はもとより、足の踵(かかと)や足の指、爪までも愛しているのだから。新海凄いよ❗
実は、美人なユキノ先生は、タカオ少年を待ち伏せしていた、と考えることも可能で、その場合はエロチック過ぎる😻
2022年鑑賞 165本目