すずきち

小さな悪の華のすずきちのレビュー・感想・評価

小さな悪の華(1970年製作の映画)
4.5
少女の可愛らしさと狂気や罪悪が絡み合うと、こんなにも美しく儚い!

退屈な街の退屈な学校に通う彼女らにとって、遊びから発展した行為は信念と言ってもいい。お堅い家、お堅い学校、お堅い街からの解放への欲望と自由の渇望。それにしてもしっかりと儀式が行われるなんてびっくり、そういうシーンがある映画はなかなかないから好き。

あと印象に残っているのは、就寝時にベッドに潜り込んで秘密を共有するシーンと自室のクローゼットに付いた鏡を前に媚態を魅せるシーン。少女から"女"に変わる姿を見せつけられた気がした。

行為がエスカレートして言った果てに、2人が選んだのが死というのはかなりショッキング。エンディングでは、狂気の中に少女の刹那的な、一瞬にして燃え尽きる命を見た。
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