ダイセロス森本

ドリーマーズのダイセロス森本のレビュー・感想・評価

ドリーマーズ(2003年製作の映画)
3.8
浮世離れしすぎている双子に出会ってしまった主人公、奇妙で魅力的な双子に惹かれ、生活を共にしていく…。彼らはどこか不思議で、この世界に存在しないような動きをする。目の動かし方、眉の使い方、そんなところが、本当にこれが映画初めてかエヴァ・グリーン…。という感じ。

双子。お互い何を考えているのか、それがわかるという一卵性双生児。男女で生まれてくる例をほとんど聞いたことがないので、ここからすでに不思議で浮世離れしているではないか!。

私にはテオとイザベルが本当はひとりの存在…というような気がする。正確もお互いがパズルのピースのようだし、イザベルがテオの指示を待つ姿も、イザベルはただの分身のような気持ちがしてくる。

マシューは原作でテオとも体の関係を持つようだが…最初ドン引きしていた彼が一番変態ではないか!?なんて思ってしまう…。原作…。

最後はあれでおしまいなのかというほど、悲しくなったり、嬉しくなったりする暇もない締め方で、なんだか本当に夢を見ていたような感覚。

ところで、初めて関係を持ったイザベルとマシューのシーン…。
R18なのに性器モザイクっていうのがイマイチよくわからない。こうやって「卑猥なシーン」と思わせることがどんどん芸術を死なせていくのでは?。
人が人と交わるシーンを何故汚いこととしてしまうのかがわからない…。
一生懸命の演技をほぼ台無しにしているモザイクにとても呆れる。

このシーンから後ずっと気になっているのがマシュー役マイケル・ピットの左腕にある、おびただしい数の傷…。これは映画のためにメイクされたもの?それならなぜ誰も触れないのか、そこにはアメリカにおいてきた問題があるのか?それとも役者自身がつけた傷なのか…。ちょっと一番複雑でもやもやしているところ。これもお話のひとつとしてくみ取るなら、また沢山感想が書けそうだから。