"貧しい家の娘が、驢馬一匹と交換で、富裕な造り酒屋へと嫁ぐことになる。だが業病を患っていた夫は、ただちに何者かに殺害され、花嫁は婚礼の御輿を担いでいた青年に犯される。青年はあっけらかんと、殺害された主人の後釜に収まる。彼はひどく酔って、高梁酒の瓶のなかに小便をかけてしまい、この偶然が幸いしてか、数年後に驚くほど優れた酒が完成することになる。やがて歳月が経ち、一家は幸福に暮らしている。花嫁は母親となる。そこへ日本軍が侵略してくる。 抗日運動 家に対して凄まじい私刑がなされる。怒りに燃えた母親は、家で雇っているすべての男たちに徹底抗戦を呼びかけ、高梁酒を用いた火炎瓶を考案すると、日本軍にむかって投げつける。彼女が戦闘の途上で射殺されたとき、全世界がほとんど真紅に染まるかのように、夕陽の残照を浴びる。奇しくして、そこで日蝕が生じる......。"
ってパンフレットに四方田犬彦?が書いてたあらすじが面白すぎてずっと見たかった。
頭巾男が高粱の中から現れる冒頭からずっと力強いカットしかなくて面白い。怒涛の拷問、皮剥ぎ無修正、日本軍の乱射に弾着に……。サム・ペキンパーみたいな発砲スローモーションなどなど、70年代東映みたいなエネルギーをずっと感じてた。
オリエンタルな香りを感じなくもないんだけど、徳間康快ノスタルジーよりマジックリアリズムを。脚本が唐突さと偶然に溢れていて、それをゴアなショットで埋めた結果できた歪な作品という感じがする。「中国文学で評価されてるのは全部マジックリアリズム」って友人が言っていたけど、この流れが中国映画に続いていかなかったのが惜しく感じた。チャン・イーモウも全部は見れてないけどこれ以外は武侠映画も本当フツーだしね。
溥儀に似ているってデビューした姜文が祖父役なんだけどこのときに23歳ってのがめちゃくちゃワロタ。笠智衆を超えている。
フツーにめっちゃ面白かった!!!!!