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紅いコーリャンのsonozyのレビュー・感想・評価

紅いコーリャン(1987年製作の映画)
3.6
1987年、チャン・イーモウ監督のデビュー作にして、ベルリン国際映画祭の金熊賞(グランプリ)。
コーリャン(高粱)=高粱酒/白酒の原料となるソルガムきび。
一般的な高粱酒/白酒は透明だと思いますが、この映画ではタイトル通り、赤ワインのような高粱酒。鮮烈な赤の映像が特長です。

1930年代末の中国山東省。
貧困のため、ロバ一頭と引き換えに造り酒屋を営む老人のもとに嫁がされる九児(コン・リー)の生涯を、孫が語り手となって進行。

前半は、嫁ぐ際の御輿の担ぎ手の1人だった荒っぽい男・余占鰲(チアン・ウェン)とやがて結ばれる九児の物語。
子供も生まれ、男たちを率いて高粱酒造りに精を出す。

第二次日中戦争時の話という事が分かるのは後半。
日本軍の非道・残忍極まるシーン(ここは日本人として辛いです..)と、その復讐に燃える九児たち。

高粱畑、丸坊主の男たち、酔うというより気合を入れるように飲み干す高粱酒、ラストの真紅の世界が印象的。

デビュー作ということで構成/演出がやや荒削りなのか、『菊豆』や『紅夢』と比べると、読後感は弱めでした。

※某tube(英語字幕)にて
※余談:子供(語り手の父。最初はこの子が語り手かと思ってた)が、あの金太郎同様、赤い腹掛けをしているんですが、ふるchinなので、怪我しないのか気になったりも。
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