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永遠の0のkuuのレビュー・感想・評価

永遠の0(2013年製作の映画)
4.5
なんちゃってサヨクのレビュー読むと
特攻の美化で、右傾化やと、原作者の人間性も手伝って賛否の激しい作品やと書かれてるけど、結局このストーリーは、軍人も、民間人も含めて、激変する荒波の様な時代を生きた日本の総ての人たちらが、
悲しみも、
怒りもひっくるめた「物語」を秘めて、その後の時代を何事もなかったように、
耐え、
忍んで生きてきたという事実やと思う。
ストーリーは勿論フィクションやけど、
激動の時代を生き、
命を継いだ人たちがいたことは紛れもない事実やし、そのそれぞれの物語に対して否定も肯定もないんやと思う。
「戦争」
てのは、正義やとか不義やとかもあらへんのやと同じ様に、戦争に関わった人らの行為においても、善悪の判別をつけることなど出来ない。
この物語において、生存者の“証言”によって異なる人物像が伝えられるくだりは、そのことをよう表してる。
「戦争」
てのは否定される悪しきものやと思う。
せやけど、ただ鵜呑みに一方的で偏った意見を聞き入れて、そんまま否定することも、安直で、それもまたアホなことやと思う。
あの時代を生き抜き、命を継いでくれた人らが、それぞれが語り継ぐ言の葉の意味を、今、コロナ渦の時代の俺たちは、今一度知り、考えていかなあかんのやと思う。
賛否の激しい作品やけど、私的ながらそれほど偏った思想を感じることはないかなぁ。むしろ、戦争で生き残った人の証言ちゅう要素を軸にした中立的なストーリーやとさえ思った。
ほんで、戦争ちゅう悲劇を孕んだ話しやけど、構成として娯楽性の高い作品やとも思った。
作中、特攻へと赴く時、エンジンの不調を察知した主人公は、一寸安堵のような表情を浮かべよる。
やはり主人公は、どんな心情であっても、どんなに情けなく無様であったとしても、最後まで生き残る道を模索していたんやと思う。
戦後75年。実際に戦争で生き残った生命の価値と、彼らが継いでくれた生命の意味を、ホンマ改めてこのコロナ渦においてよく考えていきたいもんや。
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