山崎貴監督の代表作で第38回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作。
原作は2006年発表の百田尚樹のデビュー作。文庫本が300万部を超えるベストセラーであります。
従来の戦争映画との違いは、戦争場面そのものの残酷描写をことさらに強調したり庶民の悲惨な生活を描くことで戦争そのものの愚かさを描くことよりも、もっと個人的な視点で「残された人達への想い」を鮮やかに描ききったことではないかと思います。
主演の岡田准一君の熱演もさることながら、やはり特筆すべきは過去を語る元戦友達を演じたベテラン俳優陣。
平幹二朗、山本學、橋爪功、田中泯、夏八木勲…まだまだ若手俳優たちは足元にも及ばない凄味というか、枯れた味わいは最高でした。
あの戦争を語ることができる人達が少なくなった現在、こういった作品はとても貴重なのかもしれません。
追記
蛇足ですが
「アルキメデスの大戦」にこの映画のような文芸作品的な味わいを求めてはいけません。どっちか言うとエンタメに振った作品かと。
勘違いして観に来ていたお年寄りがいましたが…面白くなかったやろうなぁ。