Kirisshy88

リアル 完全なる首長竜の日のKirisshy88のレビュー・感想・評価

3.3
漫画家の妻が自殺未遂し昏睡状態。夫は最新技術のセシングで妻の意識に入り込み、妻との交信を試みる。
他人の意識や記憶、夢に入り込むというアイディア、視点自体はウィリアム・ギブソンのマトリクスや筒井のパプリカのDCミニをはじめ、とりたてて珍しくはないものの、そうしたデバイスや媒体をどのように扱い深めるのか、その内容こそが重要であり、そこにそれぞれの物語のオリジナリティがあるように思う。
本作は、漫画家の意識という特異な対象であり、そこで既に独創的な作品になっている。さらに監督は本作でも黒澤流の大どんでん返し(転倒)を忘れない。
ただし個人的には「そもそも恐竜が必要だったのか」、エンタメ・パニック映画風の終盤には大いに疑問であり、その分マイナス。
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