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世紀の光のritsukoのレビュー・感想・評価

世紀の光(2006年製作の映画)
4.7
冒頭から、おうちでみてもヒーリング効果の高い音楽で一気に引き込まれました。
窓が大きく、余白の多い空間。
薄いシフォンのような軽さのあるカーテンが優しく靡いている。構図も室内も完璧で、だけど格好付けていない日常の素朴さが。引きの構図が大好物な私は、いくつかのシーンをシャッターで残しておきたいくらいでした。この映画は、わたし達が日常で求めている光、感じている光、いつか見たことのある光がこの映画の中にたくさん散りばめられていた。メモリアを見た時と通ずる夢や記憶、浮遊している時。映画だけどこれは映画じゃない。(肯定的)

歯医者さんは待合室含めあの独特な匂いと異質な雰囲気が大好きでこんなに綺麗な歯医者さんだったら通ってしまいそう。時間は結構ロースピードだけど退屈しない、こうであってほしいという時間の凝縮。どうせなら大画面の映画館で観たかったなぁというくらい好きでした。人の、好意がある時の心は目線や体のうずうずをみればわかるのかな、わかるかも。
また、インタビュー形式で質問して回答するというシチュエーション(面接)が個人的には肝になっているのかなと。またアピチャッポンの記事を読みたいです。
後半の黒い丸はメモリアのようなSFチックさが巧妙です。ラストシーンの思わぬエアロビに笑わされて…口笛のポップなエンディングが耳から離れない…なんなんだアピチャッポン…日本での権利が終わってしまうということで、先日レンタル購入しました。一言でまとめると、この時間が永遠に続けばいいのにな…(涙)です。
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