佐藤でした

情愛と友情の佐藤でしたのレビュー・感想・評価

情愛と友情(2008年製作の映画)
3.9
中流家庭に育ったチャールズ・ライダー(マシュー・グード)はオックスフォード大学に通う学生だが、本当は画家志望。大学で、貴族出身のゲイでアル中のセバスチャン(ベン・ウィショー)に気に入られ、友人になる。
セバスチャンが生まれ育ったブライズヘッドを訪れ、チャールズはそのお城のような大邸宅に驚くと同時に、セバスチャンの妹ジュリアの美しさに目を奪われる。仲睦まじく見える兄妹だが、彼らは厳格なカトリックである母親に抑圧されて育てられてきたことを知る‥。


初めて“ボンボンのお茶飲み会”に参加したチャールズは、さっそくボンボン達に「絵より写真に撮る方が早いだろ」と画家志望であることをバカにされた。彼はそこで一発かます。

「写真は一瞬を記録するものだが、その一瞬が呼び起こす感情や意味までは記録できない。絵画は不完全なものかもしれない。でも、愛が描ける。」

この哲学だけで彼を好きになってしまったセバスチャン。その気持ちはよくわかる。

そして、2人は大切な友達になった。
神父様から“生きる聖人”と呼ばれるほど信仰心の深い母親が、家全体を仕切っており、セバスチャンは自分の家族のゴタゴタに彼を巻き込みたくない気持ちが強かったが、彼はその後長きに渡って一族と関わることとなる。

…とても良くできたシナリオ。人間の欲望、信仰心、お金、愛、希望‥、さまざまな要素が美しい景色とともに織り込まれ、切ない物語に紡がれている。

切ないというのは、結局誰も幸せになれなかったから。ことごとく人間は弱い生き物だと思った。


はい。ベン・ウィショー祭り第三弾。面白くて2回連続で再生してしまった。

テディベアをいつも持ち歩くセバスチャン。相手が笑うと必ずニマッと笑って返す人。可愛らしい笑顔の中に悲しみが浮かぶ人。

やはり、ベンさんは“一心不乱”という言葉がよく似合う。今作でも「酒」「男」あるいは「逃避」というものに没頭している。善かれ悪しかれ、常にやるべき事は明確だ。

凛々しくも女々しく、弱さの中に華やかさがあるベン・ウィショー。彼の持つ“もろさ”に惹かれます。
そしてこの天性の可愛らしさは、親からの愛情をいっぱい受けて育ったに違いない!と想像し、今日もにやにやしています。