このレビューはネタバレを含みます
宮藤官九郎監督が脚本という事で興味が湧き、鑑賞しましたが期待を裏切らない面白さでした。
阿部サダヲが演じる主人公は度を過ぎたお人好しで、見ていて痛々しく
お節介を焼きながら「好きでやってるからいいのよ」と言うセリフが頻繁に出てきますが、
本音は「嫌われたくないから、皆んなから好かれたいから」
その本音が透けて見えてしまっているからこそ、見ていて痛々しく感じるのだと思います。
しかし、家族に対してはその建前が通用せず、
親に捨てられ、他人の家で育った為に家族との接し方が分からない主人公が、
本当の家族と出会うことによって
ガチガチに固まった建前を取り払って接する事ができ、自分自身をも認める物語だと感じました。
建前を取り払ったらオカマが出てきたのですが笑
漫才の最後の「好きでやっているのよ!」は、本心からでたものだと思います。
彼はこれから本当の家族になっていくのだろう、と思わせるラストでした。
ポップに描写されていますが、内容は深く良い映画でした。
ラストで流れるいきものがかりの「なくもんか」が最高です。