独特のテンポとユーモアで、今までに観たことがないような味わいの、どこか哀愁漂う作品。
舞台は、ベルギーの水の都・ブルージュ。同じボスの下で働く二人の英国の殺し屋が、真冬のこの地で休暇を取らされる羽目に・・。
若いほうの殺し屋には、初仕事で神父を殺害した巻き添えで幼い少年を誤射し死に到らしめてしまった過去がある。ブルージュ観光を満喫する年配の殺し屋に対し、腐る若い殺し屋。
だが、映画の撮影現場で、とある美しい女性に出会ったことで大きな変化が訪れる。そして、期を同じくして、英国のボスから年配の殺し屋に、とある残酷な命令が下される・・・。
この作品、シリアスさの中に、絶妙な間合いの台詞回しでコミカルさが融合され、独特のテイストを醸し出していて新鮮。
この作品で、ゴールデングローブ最優秀主演男優賞を獲得したコリン・ファレルは、まさにハマリ役で、哀愁漂う中にも軽妙な演技が絶妙。ブレンダン・グリーンソン、レイフ・ファインズも好演。
余談だが、自分は夏のブルージュには5年前に行っているのだが、観光客でごった返していた記憶しかないので、冬のこの街も、ある種うら寂れた風情があっていいなあと思った次第。