あきしげ

ヒットマンズ・レクイエムのあきしげのレビュー・感想・評価

ヒットマンズ・レクイエム(2008年製作の映画)
3.0
歴史ある街“ブルージュ”が舞台。
原題もブルージュとなっています。
邦題はアクション映画みたいだが、
内容は比較的地味なドラマが中心。

新人の殺し屋レイは無関係の子供を殺してしまう。
それが彼にとって大きなトラウマになっています。
子供殺しを忘れようと何かしないとダメなのです。
だから退屈なブルージュの街は彼には最悪である。

一方のケンはベテランの殺し屋である。
経験豊富でボスの指示を大人しく待つ。
レイをこの世界に紹介した張本人です。
まるでレイを息子のように接している。

あくまで“仕事”で訪れたケン。
レイは退屈な街で楽しみを探す。
それはまるで親子のような印象。

レイを演じたのはコリン・ファレル。
激しくも傷ついたレイというキャラ。
時には感情の爆発を抑えられず殴り、
時には子供のように涙を流すキャラ。
表情豊かなレイのコリン・ファレル。

ケンを演じたのはブレンダン・グリーソン。
様々な作品に出演するバイプレーヤーです。
父親から悪役までやる名脇役の堅実な演技。
本作では一番カッコいいキャラクターです。

そんな静かなる物語を展開する二人に一石を投じる男。
レイとケンの雇い主であるハリーという男の登場です。
電話の伝言から始まる強烈なインパクトを与える人物。
演じているレイフ・ファインズは怪演と言えるだろう。

行動的なレイは映画の撮影場でヒロインと出会う。
さすがにイケメン特権で簡単に美女をゲットする。
レイにとって唯一の光である彼女の存在は大きい。
演じるのはフランス女優のクレマンス・ポエジー。
強烈な個性の男たちに紅一点という役割だけです。

本作は実に地味な部類の作品。
派手な要素はほとんど皆無だ。
クライマックスの追撃シーン。
これだけであろうアクション。
必要最低限のアクションです。
本作の肝はレイとケンである。
それぞれが抱える葛藤が中核。
レイの子供殺しに対する後悔。
ケンのレイ殺しに対する困惑。
そこにハリーが割り込む展開。
本作は伏線が光っている作品。

マーティン・マクドナー監督の伏線が配置がいい。
何気ないシーンで自然にみせる小道具による伏線。
物語とはあまり関係ないような人物のによる伏線。
すべてはクライマックスのために用意された伏線。
マーティン・マクドナー監督の伏線が炸裂します。

邦題が残念すぎたパターン。
原題のままで良いパターン。
冷遇された作品のパターン。
誰にも知られないパターン。
邦題が最大の失敗パターン。

監督、脚本、演者の巧みな作品。
本作はまさしく玄人好みの作品。

RE-167