幕のリア

ヒットマンズ・レクイエムの幕のリアのレビュー・感想・評価

ヒットマンズ・レクイエム(2008年製作の映画)
4.7
「スリー・ビルボード」のマーティン・マクドナー監督2008年デビュー作品。

2人の殺し屋のバディ物ともヒューマンドラマとも観光映画とも言える奇妙な作品。
演劇的な会話の機微が絶妙で濃密。

殺人、争い、復讐、贖罪、良心、差別、軋轢、友情、和解。
良識派のオヤジ、思慮の浅い弟分、イケメンの小人。
「スリー・ビルボード」に繋がる要素が散見。
主要人物にとっては馴染みのないベルギーのブルージュの街並みが壇上の舞台となり、地味だが美しい街並みは歴史のある劇場であるかのようだ。
舞台に響く音楽も美しい(ギターパートは余計)。

コリン・ファレルのコロコロ変わる表情と阿呆な言動がいちいちチャーミングでずっと見ていたくなる。

悲しくも美しいエンディングは「フランダースの犬」でも見ているかのようだった。

登場人物のドラマを見ていれば、自らも彼らと合わせて息をしているかのように感情が入れ乱れる傑作。

〜〜

鑑賞後、情報を確認、補足。

太っちょのおっちゃん、ブレンダン・グリーソン。
よく見かけるなと調べたら、パディントン2の凶暴シェフでした。
さらにドナルド・グリーソンの父親とは。
認識してなかったのは私だけかな。

そして殺し屋の親玉ハリー役のレイフ・ファインズ。
ハリポタのヴォルデモート!
しかも禿げる前若い時は超イケメン。
他の出演作も注目して見たい。

ブルージュという街。
ブリュッセルからもアントワープからも随分遠い。
英国からの対岸、フランス側にダンケルク、ベルギー側がブルージュ。
ブリュッセルには一度行ったことあり。
ベルギービールとムール貝のセットディナー、ベタこそ思い出深い。
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