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ヒットマンズ・レクイエムのペジオのレビュー・感想・評価

ヒットマンズ・レクイエム(2008年製作の映画)
4.7
「スリー・ビルボード」は観たい
事前情報や前々作にあたるこの映画を昔観た時に感じたマーティン・マクドナーの作家性…「話の組み立て方=世界の見方」から察するに間違いなく自分好みの作品だろう
レンタルでしか観れなかったこの映画のソフトを幸運にも所持できている喜びを噛みしめる

高橋ヨシキがこの映画を「先を予想させない映画」と評していた
「予想を裏切る」ではなく、「予想させない」と

魅力的なキャラクターが動いているのを楽しみながらも、「…で、これはどういう話なの?」という疑問が鑑賞中常につきまとう
「どういう風に終わるのか?」…というか、「どうなったら終わりなのか?」
全く話の輪郭が掴めないまま、物語はコメディ、ラブストーリー、スプラッタ、犯罪アクションなどなど様々なジャンルの要素を含みつつ進行(前進か後退かすらわからないが)していく
結局はどうしようもなく映画的な瞬間…「対決」をもってして映画は終わるのだが、その時観客は(日本では何故か劇場公開はされなかったから「視聴者」か?と軽くキレながら思う。)作り手がこの構図にもっていく為に累々たる伏線の「屍の山」を築いていた事に気づかされる
背後に広がるその光景はブルージュとはまた別種の「地獄」であった

主人公がそうであったように、僕達も現世こそ地獄だと再確認する
でもまあ…地獄が一番面白れぇんだよなあ
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