たむ

最後の日々 生存者が語るホロコーストのたむのレビュー・感想・評価

4.3
アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したスピルバーグ監督製作総指揮の、ホロコーストの生存者のインタビュー集です。
ホロコーストの生存者へのインタビューというと『ショア』が決定打という印象もありますが、なかなか9時間も時間が作れないこともあります。
またインタビューのみで構成された『ショア』とは違い、本作はハンガリーユダヤ人の生存者5人へのインタビューを中心に、当時の絶滅収容所の記録映像や生存者がアウシュビッツなどに行く記録がおさめられています。

ハンガリーユダヤ人を描いた作品で有名なのは『サウルの息子』があります。
ゾンダーコマンドの生き残りの証言もあり、様々な映画や本で観たり読んだりしたものが出てきます。
生存者は語ります。
「映画より酷かった」
「本が何になるというの」
生存者たちが語っていかなければならない、とこの映画でも博物館でも語り続けるのは、クライマックスで出てくるヒトラーの遺言です。
有名な文章ではあるのですが、この映画の構成で出てくると、ゾッとするほど恐ろしく、過去の事と切り離してはいけない問題だと改めて思います。

記録映像は非常に衝撃的な映像も出てきます。
「最も悲惨な光景だった」とも語られます。
上映時間も比較的に短いので、必見のドキュメンタリーだと思います。

本作はスピルバーグ監督製作総指揮とクレジットされますが、『シンドラーのリスト』以降、ホロコーストなどの記録映像、インタビューをアーカイブしています。
この年のアカデミー賞で本作は長編ドキュメンタリー賞を受賞しますが、スピルバーグ監督は『プライベート・ライアン』で監督賞を受賞していますね。
たむ

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