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わたしはロランスのTaTのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
5.0
今年最後の映画は2回目のロランス。 

なぜこうも全てが変わってしまったのか?男から女になったことで感じる隔絶。彼女(彼)は終盤に語る。「目線は空気と同じくらい大事」だと。それは作品を通して注がれ続けた好奇の目への彼女なりの疑問であり、同性愛者であることを公言してるドランが感じてる部分でもあるんだろうな。終始語られる普通とは何かについても。 
ロランスはフレッドと別れた後に「後悔はない。朝目覚める度求めてたものの幻影を見るだけ」と言う。そのセリフがすごく響く。形は成さないけれど続く愛っていいなって思いました。でも、またそれがエグいほど切ないんだけれど。 

洋服が舞う中二人が歩むシーンと枯れ葉が舞う中別れるシーンは一生心に残り続けるんだろうな。素晴らしい音楽とスローモーションに感情を煽られ続け、涙無くして見られません。美的センスも文句のつけようがない。最後に出会いのシーンを持ってきたのもズルいです。
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