まさなつ

わたしはロランスのまさなつのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
4.4
凄い映像体験だった。美的センスの洪水が画面から溢れ出しそう。

ドラン作品の中でもベストにおす人の多いこの作品を、ようやく観られました。

90年代のカナダ。まだまだ性同一性障害に対する理解のない時代。

35歳で女として生きたいとカミングアウトしたロランスと、それを受けて迷う恋人のフレッド。二人の、くっついては離れ、離れてはくっつくの、10年間に及ぶ愛の彷徨い。

人の性は、長らく男と女の二元論で区別されてきた。黒か白か。いや紅か白か?

でも、青もあれば紫や黄もある。
それを象徴するかのように、空からいろんな色の服が舞い降りてくる中を二人が歩くシーン、素晴らしい!

他にも、ロランスと母親が、土砂降りの雨の中で分かり合うとことか、枯葉舞う中をフレッドが歩くとことか、室内に滝の様な水が降り注ぐとことか、リアルな中にちょっと幻想的で素敵なシーンが散りばめられ、もう最高!2時間48分という長丁場、少しも飽きない。

カフェで女装したロランスのことをあれやこれやと話かけるウェイトレスに、フレッドが抑えきれずに啖呵を切るシーンに圧倒される。フレッドの苦悩も痛い。

自分に正直に生きたいだけなのに、、、それが叶わない世の中。この映画の時代から20年ほど経って少しは理解される世の中になったんだろうか?

今回も役者は良かった。フレッドは「マミー」の向かいの奥さんですね〜最初気付かなかった。

フォローしている方にも大変人気の高いドラン。二作観て、遅ればせながらその魅力に打ちのめされました!

さて次は何観ようか?
まさなつ

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