YasuyukiMuro

わたしはロランスのYasuyukiMuroのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
4.3
グザヴィエ・ドラン、
マミーに続き2作目の鑑賞。

マミーに劣らず素晴らしかった!どのシーン切り取ってもアート!画面サイズ4:3とシンメトリーな構図が特徴的。キューブリックっぽい演出があったり、様々な映画、芸術に影響を受けてるんだろなぁ。

しかもただお洒落なだけじゃない。
体は男性で心は女性(恋愛対象は女性)というロランス(メルヴィル・プボー)と恋人フレッド(スザンヌ・クレマン)の10年にも及ぶ波乱万丈の愛の記録…。
カムアウトしたロランスに対する周囲の反応は冷たくリアルで、ロランスは文字通り血が滲むほど苦しむ。でもそれ以上にロランスの身近な人の苦悩の描き方が繊細で秀悦だった。
苦悩しつつも恋人を支える決心をしたフレッド。彼女の今にも壊れそうな心理描写や不安定な心の揺らぎは剥き出しの人間そのもの、土曜のランチシーンは見ていて胸をえぐられる様な気持ちになった。
もう一人、ロランスの母親を演じたナタリー・バイ。夫との関係に苦しむ中、我が子の告白に戸惑いつつも愛情が入り乱れるその表情たるや…この人の存在感は凄い!

ロランスとフレッドは、一度刻まれたお互いの想いが強すぎて、その幻想にずっと囚われてたのかな。何度もその残像が2人を繫ぎ止め…そしてラストは…。
ハッピーエンドでもバッドエンドでもないこのラストも好きですね。2時間50分という長さも正直気にならなかった。むしろずっとこの映像を流していたい感覚。

ドラン監督、若干23歳で作った作品とか。ググってみると、天才の名を欲しいままにしてる上に、ビックリする程のイケメンじゃないですか!これはきっと男には嫌われますね(^_^;)
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