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わたしはロランスのeuinsdのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
4.5
グザヴィエ・ドラン監督作品は、『たかが世界の終わり』のみ鑑賞。

なっがいよ。
「最初の方のシーンいらなくなーい⁉︎?」と思ったり、最後まで見て「ごめんなさい、やっぱり必要でした」って感じたり。

それにしても、「ニューヨーク行こうぜフゥゥゥゥ〜」とフレッドがはしゃぎまくるシーンは、最高にイライラした。
『たかが世界の終わり』で、始終、家族の会話にイライラしたことを思い出した。

やっぱり同じ監督が撮った映画なんだなぁ。

この人のBGMの使い方が嫌いと、この映画を見て確信。
かっこいいともいえるけど、うるさいんだよな。

シャルロットがロランスに見切りをつけて出て行くシーン。
消音にしようか迷うほど不快なBGM。
でも、あそこはあのBGMで正解なんだろう。観ていて不快になったのがその証拠。

いろいろ文句はあるけど……すごく良かったです……。

ロレンスに絡んできた喫茶店のおばちゃんに、フレッドが激昂するシーンは特に良い。
理解者でいたかったけど、やっぱり無理。
でもそれを認めたくない。
私はこんなに頑張っているのに、我慢しているのに、ロランスを愛しているのに、どうして?
……という、彼女の切なすぎる想いに、大粒の涙にガツンとやられてしまい、つられ泣き。

良くも悪くも、LGBTをキレイキレイなラブストーリーにしていないところはすごく良かった。
フレッドもロランスも、愛にはピュア。
相手を求めているのにうまくいかない、切ない立場ではあるものの、その実めちゃ自分勝手。

自分の痛みには敏感なのに、相手の痛みには鈍感で。
別にロランスがシャルロットを捨てたとか、フレッドが夫と子供を置いて愛の逃避行もどきをしたとかではなく、考え方が自分本位というか。

でもそのややこしい心理描写がなが〜い尺の中でじっくり描かれていて、「性別ってなに? 男とは、女とは……愛とは……」と小一時間悩まされました。
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