Risa

わたしはロランスのRisaのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
3.7
印象的な台詞やカット、曲がたくさん。

ロランスの冒頭の台詞

初めて女装をした日の
「反乱?」「いや、革命」の台詞

様々なリスト

テレビを母親

「私は住所、あなたは性別を変える」
という母親

フレッドとロランスの関係意外にも
主人公と母親に関しても不思議な絆が見える。
母親として良い母なのか悪い母なのかわからない。親としての葛藤のようなものが台詞としてではなく佇まいや表情から伝わってきてとてもステキな女優さんだと母親役の方を見て思った。
「あなたは昔から母親というより女だった。」
「あなたも息子ではなかった。娘のような気がした。」
って台詞が一番2人を象徴するような気がした。

最終的にロランスとフレッドの関係性の
捉え方は個人差があると思う。
ロランスは「自分が発する言葉を理解して、同じ言葉を発する人を探すこと、
自分を最下層に置かずマイノリティーの権利や価値だけでなく « 普通 »を自認する人の権利や価値を問う人」を探していると冒頭で言っている。
フレッドに求めていたこそそれだったのかなともとれる。
女だと打ち明ける前は自分とフレッドは
同じ言葉を理解し話していたけど
女として生き始めた後2人の道が2本に分かれていくのが見える。
ブラックチョコレートが顕著にそれを表現している気がする。
2人の中に愛がありなにか特殊な絆や運命で結ばれているのは確かだけど
天と地と、2人には何か最初から溝があったかのようにも思える。
それを見ぬフリをして偽り(ロランスが女だと黙っていたように)や幻想でベールに覆っていたものが最後2人が大人になってベールが無くなっただけのもの。
最後インタビュー中に窓の外に移る男性2人を見ていたのはもしかしたらその片方の男性の中に隠れているであろう女という性にロランスが気づき、過去を懐かしく思ったのかもしれないと勝手ながら考えた。

苦しさの中に小さな希望があり
希望とともに大きな絶望が見え
愛に苦しくなる作品。
フランス語だからこそ味わいのでる作品だと感じた。
Risa

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