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わたしはロランスのenneのネタバレレビュー・内容・結末

わたしはロランス(2012年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

3年くらい温めていた映画をやっと観た。

所々でみられる奇抜な映像が良い。
爆音で流れるゴッホの「運命」に口から蝶を吐いて店を出るロランス、テレビをぶん投げて一緒に家を出てくれるママ、土砂降りの室内、空から降ってくるカラフルな服など。

「普通の幸せ」と確かな愛情の板挟みになってしまうフレッドは切ないけどリアルだなと思った。ロランスが本当の自分を得ていく一方で、傍にいてあげられる、理解してあげられる、私たちは大丈夫だ、と"そう思いたい自分"や"大丈夫だと言い聞かせてる自分"に限界がきてしまうフレッド、切ないね。

カフェでブチ切れるシーンで泣いた。この映画を観てた人の大半はあの店員のおばちゃんに凄く腹が立ったと思うけど、現実の世界にはああいう好奇心や無神経や勝手な意見とかがそこら中に飛び交っていて、腹を立てる権利が貴方にはある?貴方も同じことをしていない?と問いたくもなる。自分が今現在抱えてるそれにも同じように口を出してくる他人がいて、そういう時にフレッドくらいめちゃめちゃにブチ切れたり皿を割ったりする雷みたいな衝動が私にも欲しいなと思った。

原題が"Laurence Anyways"なんだけど、最後のセリフが「So... Laurence, anyways.」で終わるのが綺麗で良かったし、めちゃめちゃ最高な映画だった、とにかくね。
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