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劇場版 ATARUのmatchypotterのレビュー・感想・評価

劇場版 ATARU(2013年製作の映画)
3.5
《“とある”芸能事務所に思いを寄せて》Vol.19

ちょこざい君、完結。
『劇場版 ATARU』。

サヴァン症候群。
知的障害や自閉症などの発達障害等のある人が、その障害とは対照的に優れた能力・偉才を示すこと。

“ちょこざい君”こと、アタル。
サヴァン症候群として発達障害を持つ傍ら、尋常ではない記憶力を持ち合わせ、FBIの捜査官として難事件に立ち向かう。

最終章的な話で、アタルと深い因縁があり、同じくサヴァン症候群の症状を持つアタルと対の存在と言って良い少女との対峙。

ある意味、天才と天才、尋常ではない世界で通じ合うような2人の対話で始まり、対話で終わる。
どこか苦しみと悲しみが漂う作品。

北村一輝、栗山千明、田中哲二を中心にギャグ要素や勢い勝負な場面も数多く見られるものの、この劇場版に限って言えば、それすら効き目のないほど根深い復讐や孤独、憎悪や、世間に対する憎しみのようなものを感じる。

その権化の少女が堀北真希。見た目、可愛すぎ。
こんなシリアルキラーがいるのか!みたいな。
ただ、笑った時の顔。口。

これは『踊る大捜査線』の時のキョンキョンを彷彿とさせる、凍るような微笑み。

その表情に宿る複雑な思い。シンプルな動機。色んなモノが混ざり合った挙句、ストーンと1番濃い部分だけを濃縮してしまったような、何とも言えない雰囲気。

堀北真希、彼女がその色が濃いような、薄いような、入り組んだ役にハマってた。

そして何より中居君。
前から思ってたけど、この役が本当に良い。

なかなかの飛び道具的なこのアタルという人物を演じ切ったというか、キャラクターを定着させたと言うか、言葉ではないところで伝え切った、みたいな。

この“ちょこざい君”、こんな人と仲良くなりたい。
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