まるまる

劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。のまるまるのレビュー・感想・評価

4.6
評価はテレビ版通して全部で。

朝のNHKで
脚本の岡田麻里のことやってた。

この映画の元テレビ番組に
がっちりハートキャッチされてた僕。
huluで見た。
脚本やってたのは女性だったんですね。
知らんかったw
岡田マサトとか読んでた。
思い込みって恐ろしいw

引きこもってた時期があったとのこと。
劇中、
道端でバッタリ友人知人に出くわした時の感じとか、
ご近所さんの話し声に、玄関から外に出るのをためらったりとか、
切り口が新鮮だなぁとか思ってたら、
自身の経験に裏打ちされてたと知って納得。


テレビ版。
ヒロイン めんま(アダ名)は小学生のとき水難事故で死んだ幽霊。
全然幽霊に見えないw
主人公ジンタン(アダ名)が、
戸外から聞こえるカップルのイチャつく声にイライラしながら
一人ゲームしてる真夏の真昼の部屋に
いきなり蘇ってきたw
「めんまねぇ、お願いがあると思うのw」がその理由。
めんまは、なぜかジンタンにしか見えない。

ジンタン、小学生時分は
頭も良くて、スポーツも得意。
6人の仲間達のリーダー。
その事故以来、仲間グループは自然消滅。
現在のジンタンは、真夏にニット帽と
伊達メガネで変装して外出するような
引きこもり生活を送ってる。

めんまが死んだ日。
皆大きな傷を負った。
あの時、
「ああしていれば」
「あんなこと言わなければ」
「何もできなかった」
「自分が許せない」
「ずっと謝りたかった」
その後悔が
今でも皆を強く縛り付けてる。
「俺たちは、取り残されちまってるんだ」
高校生になって、皆バラバラになっても、
誰もが過去の6人の世界で生きてる。
あの日から抜け出せない。

全11話。
毎回、一度はグッとくるシーンがあった。
毎回、笑ったw

「わたしのバカぁ」
痛かったなぁ。胸が。
「わたしのカレ牛!」
笑ったなぁw

皆の強い想いの演出が、
毎回毎回すごいんだなぁ。
勢いあまって、変態の域まで突き抜けてったのもいるしw
あんなのバレたら、自分なら自殺するってなもんだけど、
割と飄々としてた脛毛幽霊の中の人w
そうか。彼らはああ見えて、
心のどこかでは今でも仲間なんだなと
しみじみ腑に落ちた。

引きこもりっていう底辺から、
”めんまの願い”をかなえる為に、
世間や、かつての仲間からの冷たい目・嘲笑に耐えながら
敢然と行動していくジンタン。
願いが叶うと成仏。
別れに向けて動いてる事の強いジレンマに煩悶しながら
ひた走ってく。

仲間の方も、めんまへの大きなトラウマと同時に、
そもそも、めんまへの想いが強いから、
半信半疑ながらも
”めんまの願い”を無視できない。
大きく拒絶したり、衝突したり、協力したり、
知らず傷つけたり、傷ついたり。

見えないのに そこにいる。
疑う余地がなくなってからは、
皆の内圧がどんどん高まって
それぞれの強い感情を抑えきれなくなっていく様が
切なすぎる。
あーせつね。

5人それぞれにそれぞれのストーリー。
すごすぎ。

だから、最終話。
あれ、ハンパな物語だったら、
どうしたってギャグになってたと思うんだよなぁw
でもコレは、
皆のギリッギリの想いを描き切ってたから、
あんな大きな感動と喪失感に結実してったんだと思う。
hulu全11話ヘビーローテ2週間w
見終わってしばらくは、ほとんど病人でしたw

「サークルゲーム」「シークレットベース」
よくできたアニメのOP・EDって
そこだけでも見る価値あるけど、
作品自体がよくできてると
その相乗効果がすごすぎる。
ED中ずーっとボーゼンとしたことも何度か。
雪のように無数に落ちるモノトーンの花々が、
三人が目を閉じた途端
一斉に色づいて登り始めるカット。
曲と相まって、なにか示唆的で、
後半、話が緊迫の度を増してきてからは、
これでずっとウルッと来てたもんなぁ。

「みつかっちゃった」
本当の願いが叶っちゃったんだな(泣)


映画版「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」は
テレビ版で魂奪われた僕らへの
慰撫鎮魂の映画。

唯一人描かれてなかった、
あの日までの、めんまから見た皆が描かれてる。

「生まれ変わったら何になろう」

もう本当の終わりなんだな(´;ω;`)ブワッ


また超平和バスターズで映画作ってください。
よろしくお願いします。
まるまる

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