れれれざうるす

ケン パークのれれれざうるすのレビュー・感想・評価

ケン パーク(2002年製作の映画)
3.0
ゴキゲンな音楽が流れながらスケボーを滑る少年が笑顔で自殺するシーンから始まる本作。この少年こそがケンパーク。
「KIDS」では子供のみに焦点を当てていたが、今作では親にも焦点を当てていた。ラリー・クラークとハーモニー・コリンのタッグ再びというだけあり、やはり基本はセックスしまくりの若者達の話。
しかし「KIDS」とは決定的に違うのが親の存在である。この映画の親は子供目線から見た“若者に理解がない親”としてわざと嫌な風に描かれている様に感じた。
でも違うんだよねぇ。理解してないのは実は子供の方で、それに気付くのは親になってから。よく「大人になるになったらわかる」と言うけどあれはガチ。
唯一“親になること”へ近付いてしまったのがケンパーク。
ケンパークが自殺した理由は全く描かれないどころか、彼の出番は5分もないほど。
人は自殺するぞと決めてからは、まるで未来が切り開いたかのように明るく生き生きすると聞いた。親にならなくていい将来(=死)に彼は意気揚々としたのだろう。
しかし自殺したことも含めケンパークは存在自体を忘れられている哀しき現実。「ケンパーク」という名を口に出した者は誰一人いない。

祖父母と過ごす少年テートの物語があまりにやり切れない。テートは首を絞めながら自慰したり、犬に虐待したりなイカれ野郎。10代の頃は異様にかまってくる親や祖父母は確かに鬱陶しい。でもある程度精神的に大人になると自分の行動の愚かさに気付いてしまうんだよね。(もちろん気付かない奴もいるが)
「愛してる かわいい孫」
この言葉の重みに気付いてからでは残念ながら遅い。
テートの話は胸糞悪いけどテート役の子は唯一俳優経験があるらしく、チンコも惜しみなく出してくれてるしさすがだった。

この映画は性描写が過激で各国で規制がかかったりしたらしいけど、何故か男の性描写が多い方がそう扱われることがわかったと監督か誰かが言っていた。言われてみると確かにモザイクチンコ多いとアウトに感じる…。なんでだろうね?

監督いわく若者達が「わかるわかる〜」って見てくれればそれでよいそうです。