kazマックスグローバーレッド

ピッチ・パーフェクトのkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

ピッチ・パーフェクト(2012年製作の映画)
3.7
「チームが紆余曲折ありながら大会に挑む」よくある王道ストーリーだけど、それをどれだけ面白くするのか重要になってくるのが劇中映画と曲の使用と関連性。

『ブレックファーストクラブ』では高校のスクールカースト「ガリ勉、スポーツマンにお姫様と不思議ちゃん」を描いてたけど、アメリカの大学にもその悪しき風習を継承したかのような「フラタニティ」って呼ばれるクラブ身分制度があって、アカペラ部を通じてそこもしっかり描かれていた。それは主人公ベッカが映画を選ぶDVDの中に『アニマルハウス』っていう、アメリカ映画で初めて大学フラタニティ制度を風刺したコメディ映画もチラッと写っていて細かすぎて伝わりにくい小ネタでした。

あと円陣を組み「1,2,3,」でハモるって時に「3と同時に?それとも3のあと?」って『リーサルウェポン2』のトイレ爆弾でマータフ刑事のセリフを引用したりアクション映画ファンには嬉しいやり取り。


曲のほうでは『ブレックファースト…』の主題歌をビリーアイドルが断ってたエピソード。このビリーアイドルはその後にキアヌの映画『スピード』の主題歌を歌ってプチ再ブレイクしてましたね。

ベッカが大学のラジオ局から出たあとに芝生に寝そべってヘッドフォンから流れてくる曲はプロクレイマーズの「500マイル」。この曲はジョニデ出演93年の映画『妹の恋人』の主題歌で、主演女優のメアリースチュアートマスターソンが所有していた一発屋歌手のCDがそのまま映画に使われました。

他にはスタローン映画『スペシャリスト』からグロリアエステファンが歌う「Turn The Beat Around」、『ハングオーバー史上最悪の二日酔い』より「Right Around」と映画主題歌祭り。

ニッキーミナージュ、デヴィッドゲッタ、リアーナの2010年前後の曲も使用されていてかなり幅の広い選曲にもなってました。


シンプルマインズ「Don't You」にジェシーJ「Price Tag」からピットブル「Give Me Everything」のリミックス…あの頃ずっと聴いてた曲だったので最後まで盛り上がって楽しめて、映画と音楽の選曲ってやっぱり重要ですね。

それにしても中盤でのリフ・オフでセックスの歌がリアーナの「S&M」ってのは笑けた。