スプリングス

ムード・インディゴ うたかたの日々のスプリングスのレビュー・感想・評価

4.6
〈/幸、不幸/〉

【Introduction】
世界は幸も不幸も混ぜこぜだ。
日が当たると影ができるように、幸が生まれると不幸も生まれる。
片方だけしか存在しない世界などありえない。
幸不幸がごちゃごちゃと押し寄せるこの場所こそが現実で、ここで僕たちは生きていかなきゃいけないんだ。
どれだけ虚しくても。
どれだけ悲しくても。
幸も不幸も無かったことになんかできない。
乗り越えていくしかない。
それはとても辛いことで。
堪え難い苦痛を伴うものかもしれない。
過去から目を背け、未来を呪うかもしれない。
今を捨てたくなるかもしれない。
けれど、僕たちは生きていかなきゃいけないんだ。
ここは強烈に残酷で理不尽な世界だけど。
同時に途方もなく美しいのだから。
不幸があるなら、幸もあったはずだから。
あの笑顔は、偽物なんかじゃなかったはずだから。



【Plot Summary】
コランには働かなくても暮らしていけるだけの財産があった。
だけど、彼にはあるものが欠けていた。
《恋人》という存在だ。
親しい友人がみな彼女持ちだという事実を知ったコランは衝撃を受ける。
「僕も恋がしたい!!」
はやく独り身から抜け出さなくてはと、コランはダンスを覚えてパーティーに繰り出す。
そこで彼は、クロエという女性と出会う。
互いに惹かれ合う2人。
自然と付き合うことになり、遂には結婚までたどり着く。
順風満帆な人生。
恋を実らせたコランたちは新婚旅行に行くことに。
───彼らの恋に、睡蓮の花が咲く。



【Review】
人生の酸いも甘いも全部詰め込んだ物語って、たぶんこういったものなんだと思います。
僕にとってはどんな映画よりも《鬱映画》として脳に染み込まれています。1回目観たときは1週間ほど引きずりました。ですが、同時に大好きでした。この映画が。この世界が。
今回、2回目の鑑賞をしたのですが、、。
やはりこの映画大好きです。



【Digression】
予告で使われていた楽曲(Cascadeurの「Ghost Surfer」)を聴くとこの映画の切なさが呼び起こされるので、一回目観た時は頻繁に聴いていました。
今回も同じ道を辿りそうです。