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ムード・インディゴ うたかたの日々のan0nym0usのレビュー・感想・評価

3.5
ボリス・ヴィアンの小説「L'Écume des jours」をエターナル・サンシャインのゴンドリー監督が映像化した作品。カラフルとモノクロで描かれる苦楽。夢と現実の融合。スウィング・ジャズの調べと小宇宙。

原文で読んでみたいな…
文面から色彩が浮かびそう。

魂で感じろ!ですかね🤔
やっつけ言葉ですみません(苦笑)
敢えて言うなら…
精神攻撃型映像兵器!(爆)
ゴンドリー監督は、こっち側を刺激するのが大好きなんでしょうね。

avant-garde。décadence。surréalisme。

そっちの作風が苦手な人にはオススメしません。正しく理解しようしてできるものではないし、各々が感じた印象とか、心に与える作用を求めるのが目的というか…感覚として童話とかに近いですね。

部屋を花で埋め尽くす描写…近未来的な感じなのも、それはそれで面白いし綺麗なんだけど、なんか男性的だなー。私はちょっと物足りなかった。そこは「ほら見て!綺麗でしょ?」じゃないと思うんだよなー…

オシャレな雰囲気を楽しむカラフルな前半と、現実の苦味そのものなモノクロームの後半。その中間はセピア色の世界。

黒い悪魔を想わせるベルは夢世界から現実に引き戻そうとする目覚ましを想起する。
嫌悪され、叩き潰す描写…なんか笑う。

全体感での内容は深読みしようとすれば、どこまでも掘り下がってしまう。労働に対する嫌悪とか、失われる資本とか…ね。

題名からして…泡沫夢幻なわけです。
全ては泡のように消えてしまう儚いもの。

レビューを書くのに、そこを考えていたら…モノクロームのネガティヴが噴き出しそうでした。

でも、そこまで考えても無駄だなー…って、死の行軍の列からサラッと離脱しちゃいました(笑)

揺らいでる事に、最終的に意味はなくても、そこに行き着くまでに動いて弾んで、折れて砕けて…それでいい。

無自覚でも、囚われているよりマシ。
そう思えるぐらいには大人になった。

それにしても、Mood Indigoって誰が考えたんだろう…とても素敵✨(*´꒳`*)

かなり感覚的な作品だけど、社会に出てる人が観ると何気に印象に残るはず。
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