キッチー

危険なプロットのキッチーのレビュー・感想・評価

危険なプロット(2012年製作の映画)
3.8
他人の生活を覗きたくて小説を言い訳にしてるのか、小説を書くために他人の生活を覗くのか...

高校の国語教師ジェルマン(ファブリス・ルキーニ)が生徒に出した宿題、週末の出来事についての作文の中にあった魅力的な文章。小説風に書かれた作文には最後に「続く」と書かれていた。
興味を持って呼び出した生徒クロード(エルンスト・ウンハウァー)の才能を評価し、小説の続きが読みたいジェルマンは、彼に個人レッスンまで施していく。
クロードが実体験を基に小説を書いていることを知ったジェルマンが、教え子に導かれるように虚像と実像が入り交じった世界に迷い混み、徐々に深みにはまっていくところ、面白かったです。

クロードが関心を持つ同級生の母親エステルをエマニュエル・セニエ(ロマン・ポランスキー監督の奥さん)が大人の色気を見せつつ、魅力的に演じています。そして、ファブリス・ルキーニは少し理屈っぽい感じの役、見た目がウディ・アレンに似ていましたね。彼の「ボヴァリー夫人とパン屋」も観てみたいな~。

ラストシーンは同じように覗きが題材の映画「裏窓」を思わせる素敵な景色で締めくくられていて、とてもオシャレ。ストーリーの巧みさに結構引き込まれて見入ってしまいました。

フランソワ・オゾン監督作品。
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